――派手なリターンより、結局は「手残り」と「心の平和」だった
昔の私は、海外の個別株をバリバリ売買する、いわゆる「攻めの投資」に夢中でした。夜な夜なチャートを眺めては、「次はどの銘柄が跳ねるか」なんてことばかり考えていた。
そんな私が、今では資産のほとんどをインデックス投資(積み立て)に預けている。あんなに鼻息荒かった私の目を覚まさせた、ある「できごと」について話そうと思います。
1. 「おまけ」だった、毎日1,619円の積立
2020年、海外株で一攫千金を狙っていた裏で、なんとなく始めたのが旧NISA(つみたてNISA)だった。選んだのは、超定番の「S&P500」。
当時はまだクレカ積立なんてオシャレなものはなくて、銀行口座からの自動引き落とし。毎日「1,619円」っていう、なんとも中途半端な金額が引かれる設定にしていた。

正直、当時の私にとってこれは完全な「おまけ」。 「余力が足りなくて買えてなかった」なんて日もザラだったし、他に面白そうな株があればそっちに資金を回したり。とにかく適当で、存在すら気にすることもなかった。
2. 数年後、蓋を開けて「は?」と声が出た瞬間
世の中が新NISAの話で盛り上がっていたので、久しぶりにその「おまけ」の口座を覗いてみた。そしたら、ひっくり返りそうになった。
- 投資した額: 約130万円
- 増えた分: +100万円オーバー
- 利益率: 驚異の75%
「……は? あんなに適当だったのに?」
そりゃあ、個別株でも上手くいくときはあった。でも、それは毎日ハラハラして、寝る時間を削りチャートとにらめっこ、心労を削りまくって手に入れた結果だ。 一方で、この100万円は、僕が寝ている間も、遊んでいる間も、存在を忘れていた間も、勝手に育ち続けていた。
3. 「見た目の数字」に騙されてた
ここでようやく、大事なことに気づきました。「税金」という現実。
海外株でカッコよく利益を出しても、実際には約27%もの税金が引かれる。10万円儲けたつもりでも、手元には7万円ちょっとしか残らない。「確定申告で取り戻せるよ」と言われても、あの面倒な手続きを考えると、受け入れてもいいやと思っていた。
でも、NISAは「非課税」。100万円増えたら、100万円まるごと利益となる。
- 個別株: 心を削って、リスクを背負って、利益の一部を税金として納める。
- 積み立て: 放置してるだけで、利益は100%自分のポケットに入る。
この圧倒的な「コスパの差」を突きつけられた時、僕の中の「投資の常識」がガラガラと崩れ去った。
結論:最強の投資は「何もしないこと」だった
「いくら稼いだか」という派手な話に目がいきがちだけど、本当に大事なのは「税金を引いた後にいくら残るか」、そして「そのためにどれだけストレスを溜めたか」だ。
手間をかけず、税制のメリットをフル活用して、あとは市場の成長を信じて寝て待つ。
この「ズボラ戦略」こそが、私にとっての正解だった。今は資産のほとんどがインデックス運用。サテライト的に個別も持っているが、いずれはすべてINDEXに代わるだろう。結局は複利は人類最大の発明なのかもしれない。

